支部長挨拶

日本心血管インターベンション治療学会東北支部
支部長 中里 和彦

 昨年5月にこのページを更新してから1年余が経過しました。前回は「コメディカル」から「メディカルスタッフ」へ名称変更についてお知らせすると共に、東北支部メディカルスタッフ部会長である堀井里美さんの挨拶を掲載しました。また、支部の歴史についてアーカイブとして残すため、歴代の支部長と初代コメディカル部会長へ寄稿をお願いし、「CVIT東北支部の歴史」の項目を新設しました。
 その後、宮城の片平美明先生にお願いして、大会長をお務めになられたCVIT 2020についての素晴らしい内容を追加することができました。コロナ禍でCVITとしては初めてのweb開催となった総会について、詳細な経緯を記録として残していただきました。また何より、思いのこもったメーキングビデオをご提供いただき大変感謝しております。また、故加藤敦先生の追悼を含む仙台PTCAネットワークライブのビデオも最後にアップされております。会員の皆様には是非ご覧いただければと思います。

 近年、学会やライブ研究会を開催するにあたって、関係する企業から資金を集めることが大変難しくなってきています。各地で研究会や地方会などに携わっておられる方々は肌感覚で実感されているのではないでしょうか。デバイスや薬剤の公定価格が毎年のように引き下げられ、各企業の経営を圧迫していることが背景にあります。日々の我々の診療は、医療材料費や薬剤費を含めた公的医療保険制度の上に成り立っているため、一部の都合でそのグランドデザインを大きく変えることは不可能なのですが、かつての活況を知る身としては複雑な思いのする最近の状況です。「カテーテルインターベンション」の分野においても、今後はこれまでと同様の規模や回数で学会やライブ研究会を実施していくことは不可能になっていくと予測されます。そのような中でも、なんとか知恵を絞って残すべきものや継なぐべきものは続けていく努力が今の我々に求められていると思います。学会としてのCVIT、そしてより身近な組織としてのCVIT東北支部が、少しでもこれら困難な状況を乗り越えていくお手伝いの役割を果たすことができるように、支部役員や支部会員の皆様と力を合わせて進んでいきたいと思います。

 最後になりますが、この原稿を更新するタイミングで前支部長であられた小松宣夫先生が、18年間勤務された太田西ノ内病院を退職され、本年10月から福島県いわき市にある福島労災病院に異動されることになりました。副院長という重責を担われますが、まだまだカテーテル治療の現場にも関わっていくと伺っております。今後も大所高所から、我々にご指導いただけることを期待しております。いわき市は小松先生の故郷であると同時に私の故郷でもあります。福島県内でも医師が不足する地域の一つであり、大変なことも多いかもしれませんが、お身体に気をつけられ、末永いご活躍を祈念いたします。

(2024年9月)